
今から120年ほど前の1887年。
シンガポール島の雄大な海景を一望できるビーチの近くに、10室のベッドルームを備えたバンガローがありました。
「ビーチハウス」と呼ばれていたこのバンガローは、後に企業家のサーキース兄弟によりラッフルズホテルと改められました。
この名は、近代シンガポール創設者であるトマス=スタンフォード=ラッフルズにちなんでおり、
最高級の宿泊施設を旅行者に提供するという夢をその偉大な名前に込めたものです。


オープン当初からラッフルズホテルは欧米の社交界を中心に名声を得ることに成功します。
やがて19世紀後半に生じた海外旅行ブームと合わせて、世界中から多くの著名人やVIPが訪れるようになりました。
ヨーロッパ諸国からは「スエズ以東でもっともすばらしい施設」と高い評価を受け、月と6ペンスで有名な作家サマセット=モームは「ラッフルズ、その名は東洋の神秘に彩られている」と絶賛しました。
様々な種類のユニークな植物。カラフルな羽を誇らしげに広げる鳥類。人々の乾いた喉を潤すトロピカル・フルーツ。
赤道直下にある太陽に愛でられた島シンガポール。そしてその近代史を象徴するラッフルズホテル。
現在でもその評価は下がることがなく、各国首脳や著名人、資産家などが毎日のように訪れています。
歴史と伝統に寄りかかることなく、しかしそれを誇ることを忘れず。
常に至上のホスピタリティを追求するからこそ、時代を超えて変わらぬ評価を保ち続けることができるのです。
そんなラッフルズホテルのホスピタリティを創りあげるスタッフたち。
今回はその中から特にお客様と接する機会の多い人々にスポットを当ててみました。
シンガポール・スリングというカクテルをご存知でしょうか。
その名の通りシンガポールで生まれたカクテルで、パイナップルやライムなどのトロピカルフルーツによる果実味と甘さが特徴です。
シンガポールにおいて、最も多く写真撮影の依頼を受けるというラッフルズ・ホテルのドアマン。
植民地時代のイギリス軍の軍服をもとにデザインされたギープス & ホークスの真っ白な制服に身を包んだドアマンの姿は、多くの宿泊客の記憶に鮮明に刻まれています。
ラッフルズホテルにあるレストランの中で、最も古い歴史をもつ『ティフィンルーム』。
イギリス統治時代の面影を残すコロニアル調の美しい内装は永く記憶に残るほど印象的です。
コンシェルジュとは、中世ヨーロッパにおいては『建物の門番』を意味する言葉であったと言われています。やがて19世紀に入ると鍵を管理する係として使われるようになり、現代では主にホテルにおいて宿泊客の要望に応えるスタッフを表す言葉として用いられています。