
今さら聞けない!? 醸造酒と蒸留酒の違い
一口に「お酒」といっても、その種類はさまざまで、新しい味にチャレンジしてみようにも、その切り口に困っている方も少なくはないのではないでしょうか?
今回は、まず、「お酒」というものの大分類には、欠かせない製造方法による分類のお話です。
「お酒」の製造方法による分類では、その種類は、たったの3種類。
1.醸造酒
2.蒸留酒
3.混成酒
これだけです。
それでは、それぞれの製造方法と代表的なお酒の種類を簡単に紐解いていきましょう!
まず、「醸造酒」と呼ばれるお酒です。
これは、「お酒」の基本となるお酒で、その起源もとても古く紀元前3000年頃に栄えていたメソポタミア文明やエジプト文明にも記録が残されています。
醸造酒は、米やブドウ、麦などを醸して作るお酒のことというのが一番簡単な説明です。
「醸す」って??
これは、ブドウを例にとってお話します。
ブドウの果実を放置しておくと、自然に泡が発生し、数日後にアルコールが蓄積していることがあります。これは、もともとブドウの果皮についていた「酵母」が活動をはじめたことによります。パン作りをされた経験を持つ方は、酵母の活動というものに、少しは馴染みがあるのではないでしょうか?簡単に言ってしまえば、「菌」です。
この「酵母」は、果実中の糖分を炭酸ガスとアルコールに分解してエネルギーを得ています。つまり活動すれば、アルコールができてしまうということなのです。この現象は「アルコール発酵(あるいは、単に発酵)」と呼ばれています。
ただ、この「酵母」デンプンを糖に分解する力は持っていないため、デンプンの状態で糖分を保有しているような米や麦などの穀物は、糖化酵素(アミラーゼ)を持つ「麦芽(モルト)」やデンプンを糖に分解する活動を行うコウジカビなどの菌類を繁殖させた「麹」といったものの力を借りて、一度、そのデンプンを糖まで分解します。
それらの働きにより得られた糖を使って、「酵母」が発酵することで、アルコールが作られます。
そのアルコールを熟成・ろ過して、「醸造酒」は出来上がるのです。
もちろん、美味しいお酒のためには、このほかに様々な工程がありますが、そのこだわりは、今後、インタビューを行っていく「夢我人」たちに語っていただきましょう。
このようにして作られた「醸造酒」には、どのようなものがあるのでしょうか?
すでに、ピン!と閃いている方も少なくはないと思います。
先ほどのブドウの例、これは、ワインです。
麦や米というのは、ビールや日本酒と呼ばれるような清酒などを示しています。
次に「蒸留酒」なるものです。
こちらは、一番、簡単に言ってしまえば、「醸造酒」に「蒸留」という工程を加えたお酒です。
この「蒸留」のために、必要となる蒸留機は、紀元前384~322年に生きた古代ギリシアの哲学者アリストテレスによって、初めて記録に残されました。
アリストテレスによれば、お酒は水と土の2つの要素でできていて、蒸留することによって、水の要素を取り去り、純粋な酒のエキス分である土の要素が残るというのです。この説により、アリストテレスがブランデーを作ったという記録が残っています。
アリストテレスの蒸留技術は、アレクサンダー王の征服戦争によって、世界各地に広められることになり、その後、中世の錬金術師たちにより洗練されたものになります。
ちなみに、アジア地域の蒸留酒の源流は、中国の雲南省一帯といわれています。
それでは、この「蒸留酒」で代表的なものは、どんなものがあるのでしょうか?
この「蒸留酒」が別名「スピリッツ」でも親しまれているといえば、いくつか思いつく方が多いと思います。
最近のブームでますますファンに広がりを見せる、日本の焼酎や泡盛。
根強いファンが多いウィスキーやブランデー。
カクテルのベースとして、大活躍するウォッカやテキーラ、ジン、ラムが代表格として挙げられます。
「蒸留酒」の種類は、その土地特有の原料を使っていたり、その使う部分が違っていたりと、バラエティに富んだものが、それぞれの土地に根付いています。どんな種類があるのかは、また別の機会にお話します。
最後に、「混成酒」と呼ばれるお酒についてです。
これは、先に述べた「醸造酒」や「蒸留酒」を原料にして、 草根木皮、薬草、香味、果実、糖分など配合した酒 です。
一般的には、リキュールという名前で親しまれているお酒です。
こちらも、「蒸留酒」の種類以上に数多く存在しています。アイディアの数だけ存在すると言っても過言ではないかもしれません。
その中で強いて代表的なものを挙げるとすれば、梅酒やクレーム・ド・カシスをはじめとする果実酒、オレンジピールをはじめとした草根木皮をグレープスピリッツで浸出させて作ったカンパリ、アーモンドフレーバーが印象的なアマレット、意外なところでは御屠蘇(おとそ)もリキュールに分類されます。
このリキュールは、大きく分けて、4つに分類されます。
1.薬草・香草系リキュール:最も歴史が古く、不老不死の妙薬として作られてきたこともあり、薬酒とされるものも多い
2.果実系リキュール:薬用効果より味や香りに重点を置いて製造されており、あらゆるフルーツがリキュール原料になるため、生産量が最も多い
3.種子系リキュール:コーヒーやナッツ類などの種子や杏の核などの香味成分を原料とするもの
4.特殊系リキュール:上記3つにあてはまらないもの;クリーム系リキュール、ヨーグルト系リキュール、卵系リキュールなど
どのリキュールも、もともとのお酒をより飲みやすくするという効果は変わらないようです。
「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」、それぞれ製造方法も味も異なっていて、それぞれ魅力的ではありますが、くれぐれも飲みすぎには十分注意してくださいね。