モルトへの情熱~Time is Value, not Money~ | 夢我人No. 肥土 伊知郎さんさん

あまり知られてはいませんが、日本のウィスキーは世界の5大ウィスキーに含まれており、その品質の高さは世界中の嗜好家を魅了していることで証明されています。そんな状況の中で。世界の優秀なウィスキーを決定する権威であるワールド・ウィスキー・アワードに選ばれたシングルモルトの復活に奔走する一人の夢我人を追います。

モルトへの情熱~Time is Value, not Money~ (2/2)

話の場所は変わり、福島県郡山市にある笹の川酒造-。
1765年(明和2年)創業の歴史ある老舗の蔵元です。

Ichiroさんは背水の思いで、多くの企業へ売り込みをしましたが、快く首を縦に振ってくれる企業はありませんでした。当時はウィスキーの消費量も減少の一途を辿っており、決して有名ではないウィスキーに対して積極的に投資をするなど普通に考えればありえないことだったのです。

しかし、Ichiroさんのモルトへの情熱に心を動かされ、その意志に強く賛同した企業がありました。

それが笹の川酒造。
清酒をメイン商品とするこの酒造メーカーが、窮地のIchiroさんに手を差し伸べてくれました。Ichiroさんの思いを理解・同意した上で、樽を貯蔵するための倉庫を使わせてくれることになったのです。

これにより、羽生蒸留所で生まれたモルトは廃棄の危機を免れて、笹の川酒造の援助の下に【Ichiro's Malt カードシリーズ】として世に出されることになり、さらにはウィスキーマガジンやウィスキーアワードなどで多くの賞を取るに至るのです。

 

ベンチャーウィスキー秩父蒸留所2

2007年11月、一束の鍵がIchiroさんの手に引き渡されました。
その鍵は待ちに待った、埼玉県の秩父市にあるウィスキー蒸留所の鍵。

Ichiroさんの新たな歩み。

ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所が完成しました。
いよいよ世界中の嗜好家が待ち望む秩父蒸留所のウィスキーの生産が始まるのです。

もともと秩父は江戸時代にIchiroさんのご先祖が酒造業を始めた土地であり、Ichiroさんの育ちの地でもあります。羽生時代、笹の川時代を経て再びこの地から、世界を感動させるウィスキーが生み出されるのです。

Ichiroさんは言います-
 
私のつくる製品は、全てプロダクト・アウト。
こだわりぬいた商品を作った分だけ出す。
自分の作業ボリュームを超えてまで…という思いはありません。

Ichiro's Malt エース オブ ハーツとジャック オブ スペード

味の違いの分かる嗜好家さんたちの期待を裏切りたくないのです。もしかしたら、私のウィスキーは万人受けする商品ではないかもしれません。しかし嗜好家の方に愛され、評価されるウィスキーを真面目に懸命に造りつづけることで裾野は広がると思っています。

もちろん良いものを作るのに、資本力があるに越したことはありません。秩父の蒸留所だって資本がなければ作ることができませんでした。

しかし…。

資本力だけがモノを言う時代ではなくなってきたと思います。そう思うからこそ、こだわりを大切にして貫き通していきたいのです。

イチローズモルトIchiroさん

秩父という土地の良さをウィスキーに込めることができ、地球の裏側で『あぁこれがIchiroが作っている酒か!』と楽しんでくれる人がいれば最高です。そして20年後、30年後になっても、これが今年のIchiro's Maltだよ!と言って気の合う仲間と楽しく飲みたいのです。

終始、笑顔を絶やさず穏やかに話をしてくれた肥土伊知郎さん。将来の夢のくだりを話した際の満面の笑顔はまさに夢を追う夢我人ならでは。

深い想いを込めて作られた【Ichiro's Brand】のモルトウィスキー。
今夜も世界中の様々なBARで、様々な思いを背負って扉を開いた人々の心を癒す特別な一杯となっています。

関係のある人達

世界的に評価を受けたイチローズモルトの味わいを出す樽(カスク)を作る、80歳の現役洋樽職人さんです!

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