
「より美味しいウィスキーを造りたい」という自分の思いと、Ichiroさんのモルトへの情熱と一途さに銘を受け、自分と、自分の先輩が培ってきた技術や知識を後進の世代に伝えていく喜びを感じながら、楽しく働いている夢我人さんのお話です。
メルシャン軽井沢蒸留所で48年間という長きに渡り、モルト・マスターとしてウィスキー造りに携わってきた内堀修省(オサミ)さん。国産初のモルトウィスキーとして知られる『軽井沢』シリーズを生み出した職人の中の一人です。
『軽井沢』シリーズは2001年に、世界的に栄誉のある「IWSC」(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツコンペティション)で金賞を受賞するなど、国内外を問わずに評価されたウィスキーです。
そのようにジャパニーズウィスキーの世界で著名である内堀さんがIchiroさんと知己となったのは、Ichiroさんが研修のために軽井沢蒸留所を訪れたのがきっかけでした。その後の親交を経て、メルシャン退職後に秩父蒸留所のチーフ・ディスティラーとして再びウィスキー造りに従事することになったのです。
上述の通りジャパニーズ・ウィスキーを代表する造り手の一人と評価される現在でも、内堀さんのウィスキーへの思いはとても強く、「より美味しいウィスキーを造りたい」という思いは全く止まる事がありません。
【ベンチャーウィスキーを支える人達】
左から門間さん、内堀さん、Ichiroさん、渡部さん
軽井沢から秩父へその活動の場を移し、かつての職場とは違う真新しい蒸留所の施設を眺めながら内堀さんは話します。
「ウィスキーは熟成のために時間を必要とする。12年間というのがひとつの目安であるほどだ。最近はその手間自体が軽視される傾向があるけれど、本来そこには『忍耐』という楽しさがあるんだよ。そして秩父蒸留所のポットスチルは世界的に見ても最も小さいスチルの一つであろうが、それがまた良い。それはすなわち全ての作業過程に目が届くということ。手が回るということ。造り手の思いを存分に込めたウィスキーを造ることができる可能性があるということなんだからね。」
Ichiroさんのモルトへの情熱と一途さに銘を受け、秩父蒸留所の潜在力に期待する経験豊富なモルト・マスターは、自分の先輩が半世紀、そして自分が半世紀培ってきた技術と知識、経験を後進の世代に伝え残していくことができる喜びを感じながら楽しく働いています。
そしてこれからも、これまでと変わらぬ試行錯誤の楽しみをかみ締めながらウィスキー造りに励み続けます。内堀さんの熟練した技術と博識は、生まれたばかりの秩父蒸留所に受継がれて、これからも世界に発信されていくのです。