ウィスキー知者 ~There is a will, there is a way~ | 夢我人No. 土屋 守さんさん

近年、世界的なシングルモルトブームを迎えて従来の消費国だけでなくBRICsにおいてもその消費量が著しく上昇しています。そんなシングルモルトの存在が認識されていなかった時代に逸早くその魅力を見出し、人生を賭して探求した夢我人がいます。

まさか新潮社・フォーカスの元編集者が応募してくるとは想像もしていなかったその旅行会社にとって、土屋さんは喉から手が出るほど欲しい逸材でした。
面接後に即採用され、創刊号から編集を任されることになった土屋さんは、ジャーニーを一般の情報誌とは違うものにしようと考えました。

 

ジャーニーは64ページ構成というかなり充実した情報誌でしたが、実質の担当スタッフは土屋さんを入れて2人だけでした。
しかしそんな人員不足をものともせずに、土屋さんは精力的に仕事に取り組みはじめました。

日本人駐在員が困ることは何でも取り組もうと考えた土屋さんは、とてもユニークな内容の特集を組むようになります。

登記簿も住民票もないイギリスで、不動産を買うにはどうしたら良い?
ロンドンで中古車を買うための手続きは?
イギリスの国会の仕組みは?上院と下院とは何か?

そんな現実的かつ役立つ内容を盛り込んだジャーニーは次第に人気を博すようになりました。

やがて、世界の金相場を握るロスチャイルド銀行の当主をはじめ、各界の著名人なども紙面に登場するようになり、月刊誌ジャーニーはロンドンに駐在している人々とその家族に対して強い影響力を持つようになっていきます。

スコッチウィスキーの本場へ

その動きの中でロンドン駐在員向けの国内旅行特集をしようという企画が上がりました。
当時のイギリス駐在員が休日に旅行するのは主にパリ・ドイツなどの国外であり、イギリスの国内旅行はそれほど人気がなかったのです。
渡英当初からイギリス文化そのものの理解を深めることも目的としていた土屋さんは、その頃にはすでにイギリス国内の観光事情にも精通しており、その魅力を十分に人々に伝えたいと考えたのです。

その国内旅行の企画のひとつに上がったのが『スコッチ・ウィスキーの特集』でした。

当時の日本がバブル景気に湧き上がる一方で、イギリス経済は不況に陥っていました。
そのため羽振りが良い日本人旅行客を呼び込むことは、政府が観光収入を得るためにとても重要であり、ジャーニーに特集されることは各観光局にとって非常に有益だったのです。

そんな折、スコットランドの政府観光局からの招待を受けた土屋さんは、渡英後はじめてスコットランドへと足を運びました。

スコットランド政府観光局が宣伝したいものは『ゴルフ』と『スコッチウィスキー』。

当時、すでに日本では絶大なゴルフブームを迎えており、ロンドン駐在員のあいだでもその人気は非常に高いものでした。
しかし、スコットランドが安価で良質なゴルフ場を多く保有していることはあまり知られていなかったため、駐在員たちがスコットランドまで足を伸ばすことは少なかったのです。

また、当時は一部のブレンデッドウィスキーが市場に流通しているのみで、その本来の魅力を十分に伝えることが出来ていないと考えていたスコットランド政府は、何とかしてスコッチウィスキー、中でもシングルモルトを世界に知らしめたいと考えていたのです。

エジンバラへ到着した土屋さんは、担当の女性に案内されながら早速パブを訪ね歩きました。


そこで土屋さんは初めて本場のスコッチを体験することになるのです。

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